ここはとある南の島。そこは戦時中らしい。台詞は関西弁らしいがとくに大阪地方と特定した訳ではない。しいていえば、ここは宇宙星のとある地方の島としておこう。
激しい戦争はすぐそこまで押し寄せていた。だが島の人々はしなやかに、だが逞しく生活していた。・・・・・・安田家でも例外ではなかった。
床屋を営むのんびり屋の父親(外波山文明)を中心にしっかり者の母親(水野あや)婚期を逃した長女冬子(鳥居しのぶ)ジャズ歌手を目指す次女秋子(井上カオリ)、四女春子(稲井田純)らが明るく暮らしていた。そして今日は三女夏子(太刀川亜希)と関川(恒松敦巳)の結婚式。そんな華やいだ席に現われたのが軍の少佐篠田(新納敏正)だ。
「本日をもって当安田理髪店を軍の管轄下とする」。その一言で一家の運命は大きく変化していくのだった。
そんな厳しい状況下でも必死に生きようとしている四姉妹と家族の“愛”の物語りです。
☆この作品は、1998年、新宿花園神社野外劇として上演された「小さな水の中の果実」の改訂版です。
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