噛むことの大切さを考えよう/咀嚼と健康ファミリーフォーラム

 「歯固め」、いまではあまり聞き慣れない言葉ですが、これは日本に古くからあった食習慣です。

 古代中国、人々は歯が脱落・消失しないように、健全な歯で食物を十分に咀嚼 (そしゃく) できるようにとの願いをこめて、元旦や六月に固い飴を食べたのが始まりだと言います。平安時代には日本にも伝わっていたそうです。お正月や6月1日には長寿を願ってわざわざ固いものを食べていたのが 「歯固め」 という行事です。 たとえば、お正月の鏡餅、御節料理の黒豆や田作り。それ以外にも 「晴れの日」 や 「節分」 の折々に、ご馳走のなかに固い食べ物を加えました。豆まきに年の数だけ豆を食べたり、七五三の千歳飴、これなども 「歯固め」 と密接に関係しています。
 ところが、現代の私たちは、そうした食習慣をすっかり忘れています。圧力鍋など調理器具も整い、どんな固い素材でも柔らかく調理できるようになり、固い食べ物は私たちの食事からより少なくなりました。

 こうした古くから言い伝えられていた食習慣を取り戻し、現代的意義をもう一度見つめ直そうと、「日本咀嚼学会」 で企画したのが 「咀嚼と健康ファミリーフォーラム」 です。今年で七年目を迎えました。

 これまで、「キレる子ども」 「痴呆老人の増加」 など、その年に起こった問題をテーマに掲げ、専門の先生をお招きしてフォーラムを実行してきました。 しかし、いまは先の見えない不安から、多くの人は閉塞感でいっぱいです。
 世紀も改まったことです。テーマにあるように 「よく噛んで笑って元気に新世紀」、暗い話題はしばし忘れ、大いに笑って元気になっていただきたいと願いを込めたフォーラムです。ふるってご参加ください。
               (咀嚼と健康ファミリーフォーラム実行委員会)

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