里山を考えて、21世紀の 「 暮らしのありよう 」 を考える


「 里山から考える 21世紀 」 実行委員長 土岐 小百合



  土岐 小百合

   【 あいさつ 】
 田んぼ、雑木林、用水路、ため池……。ほんの少し前まで、 「 里山 」は日本のどこででも見ることのできた農村の風景でした。米を作り、薪や炭を得る人々の営みは、長い時間をかけて 「 里山の自然のサイクル 」 の一部となっていきました。そこに棲む多様な動植物は、人間の営みがつくり出すこうしたサイクルをも利用しながら生きてきたのです。人の暮らしがあればこそ保たれる自然――。
 こうして、人と自然と生き物がせめぎ合いながらも一緒に住める空間、 「 里山 」 ができあがったのです。

 そして今日、里山は大切にしなければならない身近な自然として、主に自然保護の観点から注目を集めています。同時に農業、林業、食糧、環境教育、国土利用、地域社会など、さまざまな視点を持つ人々にとっても重要な環境のひとつ。言い換えれば、里山は幅広い分野の人たち同士が出会うことのできる場所ということができるのです。

 2000年 10月に開催したイベント 「 Satoyama 21−里山から考える 21世紀 」 を皮切りに、記録映像 『 今森光彦の里山物語 』 を上映し、里山に関するパネル展示をする 「 場 」 を各地に広げていきたいと思います。そして、その 「 場 」 に参加してくださった方、一人ひとりが自分の身近にある里山についてもう一度見直したり、今後の里山について考えるきっかけになる 「 何か 」 を感じていただければ幸いです。
 里山について考えることは、21世紀の 「 暮らしのありよう 」 を考えることにつながっていくのではないでしょうか。

 日本が世界に誇ることのできる 「 里山 」 という環境から、21世紀の地球環境のあり方をもう一度見つめ直してみたいと思うのです。

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