この時期、肥満になる人が増えている。
「夏ぶとり」 はどうすれば解消できる?


 夏たけなわ。 この時期、 「体重が増えた」 という人が増加します。 かつては “夏はヤセる” が常識でしたが、今は “太る” 人が多い。 なぜそう変わったのか。
 ダイエット指導もしている新宿、 「代々木形成外科クリニック」 院長の石原信浩先生にその原因と対策について伺いました。

▼ 夏ぶとりの原因はなんですか。
 「まず、暑い夏でも職場や自宅が冷房で涼しい。 暑いと脳の視床下部にある満腹中枢が刺激されて食欲が落ちるのですが、涼しいと刺激がいかず、食欲は落ちません。汗もでないために体内のナトリウムやカリウム、カルシウムといったミネラルが失われないので、胃腸の機能は低下しません。 しかも夏バテにならないためにと、ウナギや焼き肉などカロリーの高い食べ物をドンドン食べることもあります。 ビールやジュースなどの清涼飲料水も飲む量が多くなる。アイスクリームや果物も食べる。 さらに、外は暑いから運動はあまりしない。 これらが重なって夏ヤセどころか、逆に “夏太り” する人が増えるのです。」

▼ 夏太りはどうすれば解消されますか。
 「食事の量を減らせば満腹感が得られないので、間食や夜食をするというのが悪いパターンです。満腹感があって減食につながる食事がいい。 それには肉を食べることです。 特に牛肉がいい。牛肉にはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸が多く含まれていて、これが脳内でのセロトニン生成を促進させる。 セロトニンが満腹中枢に作用することで、満腹感が得られます。減食につながり、間食や夜食もせずに済みます。 満腹感によりアルコールの量も減ります。牛肉は、脂肪の少ない赤身が最適。 週 2回くらい食べる。
 朝食を食べることも大事。朝食を抜くと、昼食は空腹状態で食べるので、体内で脂肪が吸収されやすいのです。食べすぎることもあります。ちゃんと 1日に 3食とることです」

▼ 夏はよくスポーツドリンクをのみますね。これは如何なものでしょう。
 「スポーツドリンクはカロリーがあります。運動した後はカロリーが大量に消費されるからいいが、運動しないで汗が出た程度のときは飲むのをやめることです。そういう状態ではカロリーをあまり消費していませんからね。カロリーの取りすぎにつながります。飲むならミネラルウオーターや麦茶などがいい。」

▼ 運動はどういうのが良いのですか。
 「歩くことです。 とくに階段の上り下りは、平たんなところを歩いたときと比べて、カロリーを 3倍消費します。 JRや地下鉄の乗降ではエスカレーターを使わず階段を使う。1日 1万歩が目安ですが、1万歩満たない場合は階段の上り下りによってカロリー消費量を増やすのです。
 水泳か水中ウオーキングも良い。 水泳なら 30分間、千メートル程度を休みなしで泳ぐ。水中ウオーキングなら同じく 30分間歩きます。週 1〜2回やればいい。」

◎減量に向けて、さあ始めてみませんか。

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