【 ストーリー 】
19世紀末、ヨーロッパのとある王国の物語。
舞台は、これまでも男女入れ替え劇で一貫して扱われてきた19世紀末。退廃しきった貴族社会の名残と、近代文明化の波が押し寄せてきた、混沌とした時代。非文明的な風習と、科学が交錯する、歴史上もっとも魅力的な時代です。
その 19世紀をもっとも体感していたヨーロッパの、とある王国。
国王の死後、彼の 「偶像」 と 「実像」 をめぐる、登場人物たちの愛や憎しみ、勘違いや思いこみが展開していきます。果たして、いったいなにが、真実なのか。王を等身大で語る人間は現れるのか？いえ、人が人を等身大で認識することは可能なのか？
物語はそのことを迫求していきます。
【 公演によせて 】 わかぎ えふ
男女入れ替え劇は文字通り、女が男を演じ、男が女を演じる芝居です。初めて見た人の
90％は、芝居が始まって 10分ほどの間、驚いたり、笑ってしまったり、引いたりします。しかし、この５年ほどでリリパットの主軸たるシリーズになりました。
それは、この男女入れ替え劇の持つ不思議な魅力ゆえでしよう。芝居を見るにつれて、ヒゲ面の乙女が、背の低い紳士たちが、リアルに見えてくるという奇妙な空間に、心を奪われてゆくからです。
あなたが見ている真実とは、人の形なのか、心なのか…そんな質問を投げ掛ける舞台をお届けします。
どうぞ、真夏の夜の夢を見に来て下さい。 |
