ランニングシアターダッシュはこれまで、「泣ける、熱くなる、元気が出る!青春エンターテイメント」というキャッチフレーズのもと、スポーツを題材にした疾走感溢れる作品を発表し続けてきました。
登場人物が舞台狭しと走り回り、ストレートに感情をぶつけあう単純明快な物語は、時に「
スポ根演劇 」とも呼ばれ、その先駈けともいえる1997年初演の『
風のピンチヒッター 』は好評を得て、この春の再演でも多くのファンの皆様に「これぞダッシュ!」という賞賛の声を頂きました。
しかしその一方で、私たちはある不安を覚え始めていました。その「スポ根演劇」というイメージがあまりにも先行し過ぎて、ひょっとすると一部の方々には観る前から敬遠されてしまっているのではないか?もちろん、自ら確立させたスタイルゆえに呼ばれるべくして呼ばれたその称号を恥じるつもりはありません。しかし、それ以上に観てもらいたい部分もあるのです。
それは、ダッシュ作品の根底に常に流れている「ノスタルジー」や「センチメンタリズム」――一度でも観ていただければ必ず感じとってもらえるはずの、胸が熱く、そして痛くなるような切ない気持ち。前出のキャッチフレーズは本来そのことを伝えたくて打ち出した言葉でした。
「青春」は「センチメンタリズム」であり、「エンターテイメント」は「誰でも素直に楽しめる」というメッセージなのです。今後は、この想いがさらに際立つような舞台を作っていくつもりです。 |