人類は子どもたちに昔話を口伝えし、生きていくための知恵や勇気を与え、感受性や想像力、人生観、自然観、世界観といった子どもの源泉となるものを育んできた。
　ところが、少子化、核家族化、都市化によって、子どもたちが昔話を聞いて育つ環境が大きく変化し、身近な家族の声と言葉で、子どもたちに昔話や昔話絵本を読み・語ることの大切さが、今あらためて叫ばれている。

　こういったおり、世田谷文学館 (世田谷区南烏山) では、来る７月６日〜９月８日、岩波書店、安曇野ちひろ美術館、他９団体の協力と世田谷区教育委員会（予定）などの後援を得て、企画展「昔話と昔話絵本の世界展」を開催することになった。

　子どもたちに物語の面白さやすぐれた絵の魅力を実感させ読書や文学の扉を開くきっかけをつくろうというのがこの企画の趣旨である。

　本展では、「昔話の世界」 「昔話絵本の世界」 のニ部構成の展示と、トーク＆サイン会、絵本美術館紀行、おはなし会、ギャラリートークなどの多彩なイベントを通して豊かで魅力的な昔話と昔話絵本の世界を紹介。
　「昔話の世界」のコーナーでは柳田國男を中心に、「昔話絵本の世界」のコーナーでは昔話絵本の傑作約10点を展示して、紹介する。

■世田谷文学館 ＴＥＬ（03）5374−9111（代表）