『戦中・戦後を生きた女性たち- 〜妻として母として〜


  昭和館では今、『戦中・戦後を生きた女性たち- 〜妻として母として〜 』と題して特別企画展を開催しています。

 戦争は多くの人々の生活に様々な影響を与えました。銃後の女性たちは労働力として職場に動員されることとなり、結婚や出産といった本来は個人的な問題であるはずの事柄も、戦争によって国策としての側面をも持つようになりました。多くの夫婦が離れ離れの生活を余儀なくされ、なかには戦争によってかけがえのない夫を奪われた女性もいました。

 本展では戦中・戦後の女性に焦点をあて、なかでも妻として、そして母としての生活を中心に、多感な時期を戦争のために犠牲になった若い女性をとりまく状況を、実物資料や写真、当時の心情を綴った短歌や手記を交えて紹介していまます。


■会 期=8月31日(土)まで

■会 場=昭和館(東京都千代田区九段南1-6-1)3階 特別企画展会場

■内容=
I 社会へ家庭へ
(1) 銃後を担う女性たち
 戦争が始まると、女性は出征した男性に代わる働き手として期待されるようになり、未婚女性への動員は戦争が激しくなるとともに強化されていきました。銃後を支えていた女性たちの姿を紹介します。

(2) 戦時下の結婚
 戦時下では「結婚報国」の言葉によって、女性は早く結婚してより多くの子どもを産むことが望まれていました。また贅沢が禁止されていた時代では、結婚式も例外ではなく、地味で質素なものが理想とされていました。戦時下の結婚をとりまく状況を紹介します。

(3) 戦争が終わって
 終戦後、復員した男性が職場に戻ってきたことにより、戦時中に動員されていた女性が大量に解雇されました。また、戦争によって婚期を逸した男女による集団見合いなども行われました。戦争に翻弄された女性たちの戦後の姿を紹介します。

II 妻として母として
(1) 夫は戦場へ
 戦中は結婚しても、多くの家庭では夫婦が一緒に暮らす期間は決して長くはありませんでした。夫の出征により離れ離れの生活となり、お互いの思いを伝え合う手段は、はがきや手紙だけでした。夫と離れて暮らすことを余儀なくされた妻たちの思いなどを紹介します。

(2) お国のために
 戦時中「産めよ殖やせよ」のスローガンのもと出産・多産を奨励され、また赤ちゃんは国の宝であり、健康に育て上げるのが母の務めとされました。食糧や物資が不足し、空襲が激しくなっていくなかでの出産や子育ての様子を紹介します。

(3) 戦後の混乱のなかで
 戦争が終わり、日々の空襲におびえることはなくなりましたが、食糧難や経済混乱のなかで子どもを抱えての生活は大変に厳しいものでした。また戦争で夫を失い未亡人となった女性も少なくありませんでした。戦後の混乱期を、子どもの成長を心の支えに精一杯生きた母親たちの姿を紹介します。

III 復興とともに
(1) 戦後の女性たち
 戦後、教育の民主化により女子の進学率も高くなり、また女性の参政権も実現されるなど、社会進出も少しずつ進んでいくこととなった。また、戦争中はおさえられていたおしゃれへのあこがれが一挙に吹き出し、女性のファッションにも華やかさが戻った。

(2) 新しい時代へ
 昭和21年(1946)に公布された日本国憲法では、結婚は家同士の結びつきではなく、個人の意思によってするものとされた。復興にともなって人々の暮らしも徐々に安定し、結婚や子育ての様子も少しずつ変化していくこととなった。

■入場料=特別企画展は無料(常設陳列室は有料)

■主 催=昭和館

■詳細問い合せ先=昭和館総務部
           TEL.03-3222-2577 FAX.03-3222-2575


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