「宮本隆司写真展」

 世田谷美術館では、今最も注目を集めている写真家の一人、宮本隆司の20年を越えた活動の全貌を、国内で初めて本格的に紹介する「宮本隆司写真展」を開催いたします。

 本展では、第14回木村伊兵衛写真賞を受賞した《建築の黙示録》から、国内初出品となる1996年ヴェネツィア・ビエンナーレに出品された高さ約5mに及ぶ巨大写真《神戸1995》未発表の最新作まで、宮本隆司のこれまでの軌跡と新たな展開をご紹介します。

 会期中は、対談やワークショップなどの関連企画も行う予定です。


<建築の黙示録>から最新作まで、写真家・宮本隆司の全貌を展覧会


 宮本隆司(1947年東京生まれ)は、1986年<建築の黙示録>を発表し、現代都市に出現した「廃墟」を作品化して注目を集めて以来、一貫して都市をテーマに活動してきました。バブル経済絶頂期の東京における巨大建築ラッシュの一方で、解体され消滅してゆく歴史的名建築をモノクロームの静謐(せいびつ)な視線で捉えた宮本の<黙示録>は、とともに私たちに刻印し、89年第14回木村伊兵衛写真賞を受賞しています。

 その後、80年代の都市空間にホームレスたちが生み出した極限の建築<ダンボールの家>、香港最大の巨大スラム建築の存亡を扱った<九龍城砦>、阪神淡路大震災により倒壊した都市を扱った<神戸1995>など意表をつく作品を次々に発表。急激に変貌していく都市に潜む深遠な諸問題に鋭く斬りこみながら、それでいて静まり返った都市の表情を淡々と表現してゆく宮本の作品は、国際的にも高く評価され、96年第6回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展では、共同出品者の一人として金獅子賞を受賞。2002年には日本代表のひとりとして第11回ドクメンタ(カッセル)に参加するなど、その活躍は目覚しいものがあります。

 近年では、人間の視覚意識と写真の原点に着目した<ピンホールの家>シリ−ズ、近代都市の歴史の中で「廃嘘」と仮した美術館およびその再生をテーマにしたべルリンの<美術館島>プロジェクトなど、新たな展開を見せてきました。

 本展は、20年を超えた宮本隆司の活動の全貌を、未発表のヴィデオ作品も含め、国内で初めて総括的に紹介するものです。特にヴェネツィア・ビエンナーレに出品した高さ4m50cmに及ぶ巨大写真<神戸1995>は、国内初の展示となります。


 
宮本隆司写真展

■会期=2004年5月22日(土)〜7月4日(日)

■休館日=毎週月曜日

■開館時間=午前10時〜午後6時(入場は閉館30分前まで)

■会場=世田谷美術館 1階企画展示室

■入場料=一般:800(640)円/大高生:600(480)円/中小生・65歳以上:400(320)円
       ( )内は団体20名以上料金、障害者割引あり

■問合せ=世田谷美術館 TEL:03-3415-6011(代)
        ハローダイヤル:03-5777-8600















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