「清川泰次 アトリエとしての展示空間」

「家の中にアトリエがあるということは、とても楽しいことだ。」
 
アトリエ風景 1962年
「プロでもアマでも、また、どんな仕事を持つ人々でも、アトリエが有ると、其の中で仕事している時でも、仕事していない時でも、唯じっと座っているだけで、とても愉しくなる、という不思議な空間、それがアトリエだ。…
 従来の書斎よりスペースは少々広く必要になるかも知れないが、アトリエを持った方がより楽しい生活を味わうことが出来るであろう。其の日の仕事を終えて、少々のアルコールの入ったグラスを片手に、ロッキングチェアに身をしずめ、好きな音楽でも聞きながら、今、出来上った作品などを眺めている夕暮のひと時程、幸福な時はない。」(『趣味人間』住まいの文化誌第13号ミサワホーム総合研究所平成5年)

 清川泰次のアトリエを兼ねた邸宅は1949年に建てられ、アトリ絵部分を二回増設して現在に至っています。
 この間彼は自らのアトリエを深く愛し、2000年に亡くなるまでの40年近くにわたってこの場を制作の場としてきました。現在の清川泰次記念ギャラリーは、増築した部分を俳除し展示室として改装したもので、いわば建物当初の状態に近いかたちとなっています。


 今回の展覧会では、清川泰次が愛したアトリエでどのように制作を重ねたのか、その特異な空間が現在どのように活かされ展示室となっているのかを、この場で制作された絵画作品と当時の記録写真、また資料などを交え検証します。
 
 また彼は、1951〜54年と1963〜66年の、二度にわたってアメリカに渡り、それぞれサンフランシスコとニューヨークに大きなアトリエを借りて製作に励みました。
 その当時の様子も併せて展示することにより、彼がアトリエという空間に寄せた思いを明らかにします。

 また、二つ目の展示室は元来彼の寝室であり、制作に疲れた体を癒した空間であると同時に、新たな作品の構想を練る場でもありました。来館者の方々にもくつろいでいただける空間にするため、小品や記録写真の展示と同時に「画家のアトリエ」「成城」そして「世田谷」などのキーワードを元に収集した書籍を、清川自身が愛用した備え付けの棚に並べ、皆様に自由にご覧いただけるように致しました。
 清川泰次の愛した独特な空間に身をおき、彼とそのアトリエ、成城という街、そして世田谷という地域に、より一層の理解を深めて頂ければ幸いです。


 
  「清川泰次 アトリエとしての展示空間」

■会 期=2005年7月30日(土)〜11月28日(日)

■休館日=毎週月曜日(ただし休日と重なった場合は翌日)、年末・年始

■開館時闇=午前10時〜午後6時(入館は5時30分まで)

■開催場所=清川泰次記念ギャラリー(世田谷区成城2-22-17)

■交 通=小田急線成城学園前駅南口徒歩3分

■観覧料:一般200円(160円)、大高生150円(120円)、中小生100円(80円)
     65歳以上及び障害者の方100円(80円)
  ※( )内は20名以上の団体料金。
    小・中学生は土・日・祝日およぴ夏休みのあいだは無料。

■問合せ=同館TEL.03-3416-1202又は世田谷美術館TEL.03-3415-6359

   
















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