宮本三郎生誕100年記念「従軍の記録そして生の賛歌ヘ」

 このたびの展覧会では、戦争を描いた画家として、また、昭和という激動の時代に活躍した画家として、宮本三郎の画業を見つめなおし、そこに通奏低音のごとくあらわれる、「生の喜び」の意味を考えたいと思います。

 戦時中、宮本は陸・海軍からの委嘱を受け、従軍画家として、中国、そして南方を巡り、多くの戦争記録画を描きました。
 宮本の卓越した素描力は記録画制作の場においても如何無く発揮され、銃器を構える兵士の姿や、軍用機器の詳細など、エスキースとしてのスケッチを数多く残しています。

 宮本三郎にとって戦争記録画は、ドラマの真実の記録であると同時に、芸術家としての感動の表現でもありました。

 《飢渇》 (1943)(右写真)に描かれた銀輪部隊の傷ついた兵士たち。渇いた喉に水を求め、地を這う兵士の指先には、野花が描かれています。
 また、《死の家族》 (1945〜46頃)に描かれた若き男性の亡骸。その奥には天を見上げる赤子の姿が描かれています。
 これらは、戦地において画家が見出した一筋の光、生への希望を象徴しているとも見てとれます。そこには生と死の強烈な対比を通じた、宮本の、生の尊厳と喜びに対するメッセージがこめられているのではないでしょうか。

 本展では当館収蔵品より、戦時中に描かれた油彩作品と、従軍画家として戦地に赴き描いた30点余りの素描作品、そして絢欄たる色彩美に溢れる晩年の諸作品を、あわせてご紹介いたします。

 
  宮本三郎生誕100年記念「従軍の記録そして生の賛歌ヘ」

■会 期=2005年7月30日(土)〜11月28日(日)

■休館日=毎週月曜日(ただし休日と重なった場合は翌日)、年末・年始

■開館時闇=午前10時〜午後6時(入館は5時30分まで)

■開催場所=宮本三郎記念美術館(世田谷区奥沢5-38-13)

■交 通=東急目黒線奥沢駅下車徒歩8分/東急大井町線九品仏駅下車徒歩8分

■観覧料:一般200円(160円)、大高生150円(120円)、中小生100円(80円)
     65歳以上及び障害者の方100円(80円)
  ※( )内は20名以上の団体料金。
    小・中学生は土・日・祝日およぴ夏休みのあいだは無料。

■問合せ=同館TEL.03-5483-3836又は世田谷美術館TEL.03-3415-6359
   
















『マイソフトニュース』を他のメディア(雑誌等)にご案内下さる節は、当社までご連絡願います。
Copyright(c)1999-2005 Mysoft co. ltd. All Rights Reserved.