第3回耐震補強セミナー「今出来る地震対策」
 6436人が犠牲になった阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)から11年。『日本耐震防災事業団』(小口悦央理事長、以下「日耐防」)が主催する第3回耐震補強セミナー「今出来る地震対策」が、去る7月6日、池袋芸術劇場大会議室で開催された。

 セミナーでは、宮城県北部地震で2度、震度6の体験をした阿部登一夫妻が登場、そのときの状況や現在の心境などが語られ、また早稲田商店会長、NPO法人「東京いのちのポータルサイト理事長などを務める安井潤一郎衆議院議員の講演もあり、会場をうめた300人の聴衆をわかせた。
 「日耐防」は、阪神・淡路大震災で救援活動と住宅の復興事業にかかわった一級建築士・小口悦央理事長が、その惨状に衝撃を受け、建築許可した行政の施策に強い疑問を抱いて組織し立ち上げたNPO法人。現在約700社が加盟している。新しい耐震工法『倒壊防止システムDSG
(ディフェンス・ガード・システム)』を開発しおよそ1000棟の施工事例を、また耐震診断の実施の出来る耐震プランナー(木造住宅耐震診断士)の資格を日本で始めて創設しこれまでの3000棟以上の耐震診断数を数える。

 安井議員や阿部さん夫妻が共通して取り上げていたのが“安全・安心”。
 安井議員は自身、商店会長の立場から「人々が死なないためのまちづくり」を掲げ、「阪神・淡路大震災では死んだ人の92%が圧迫死など“家に殺された”ものだ」から、建物が壊れても潰れない技術が必要だと述べた。「国が阪神・淡路大震災で11兆円失ったことを知り本気になった」と中央防災会議の状況なども披露し、さらなる耐震防災化活動を促した。
 阿部さん夫妻は、鉄筋を破ってなお5m吹っ飛んだ墓石を目撃したことや建物の大きな揺れ、台所食器が全部破壊し使えなくなったことなど様々な体感に、強い衝撃を受け、地震の怖さを知り、その恐怖から倒壊工法DSGを取り入れることを決意。設置後数か月して、またまた同規模の地震にみまわれたが、「今度は、逃げるまでは家つぶれない」と心にゆとりができた。「前回の揺れを10とすると今回は3の揺れと感じた。その差はDSGのおかげであった。精神的なゆとりはお金に代えられない」と結論づけていた。

















『マイソフトニュース』を他のメディア(雑誌等)にご案内下さる節は、当社までご連絡願います。
Copyright(c)1999-2006 Mysoft co. ltd. All Rights Reserved.