「実験工房展 戦後芸術を切り拓く

 1951年に結成された美術家や写真家、音楽家、舞台照明や技術者、詩人などのジャンルを超えて集まった若手前衛芸術家のグループ「実験工房」。

 本展は、総合芸術を標傍した彼らの先駆的でユニークな活動の全貌を、公立美術館による初めての試みとして本格的に再検証し、絵画、立体、写真、映像、楽譜、プログラム等、約450点にてご紹介します。

 開催主旨

 本展は美術家と音楽家によって結成され、戦後美術の新たな地平を切り拓いたグループ「実験工房」(ExperimentaIW0rksh0p1951-1957頃)の全貌を紹介する、公立館として初めての展覧会です。
 「実験工房」には次のような多彩なメンバーが名を連ねました。
〔造形]大辻清司、北代省三、駒井哲郎、福島秀子、山口勝弘、 [音楽]佐藤慶次郎、鈴木博義、園田高弘、武満徹、福島和夫、湯浅譲二、 [詩・評論]秋山邦晴、 [照明]今井直次、 [技術]山崎英夫(五十音順)
 グループとしての活動期間は7年程でしたが、次世代の美術、音楽をリードしたメンバーにとって、その後別々の道を歩むものの、「実験工房」は彼らにとって創作の原点として重要な役割を果たしました。
 グルーブの命名者である美術評論家で詩人の瀧口修造らの支持を受け、「実験工房」の活動は1951年のピカソ展を記念したピカソ祭のバレエ『生きる悦び』の開催を機にスタートします。
 その後「実験工房」はダンス、演劇、映画といった多岐にわたるジャンルヘと活動の幅を拡大して行きました。
 正式な解散はしていませんが、グルーブとしての活動がほぼ終了する1957年頃までの間、総合芸術としての斬新な舞台公演、日本初演の現代音楽のコンサート、そして現代美術の世界で先駆的な作品を数多く残しました。

 本展では、彼らの幅広い活動の軌跡を、絵画、立体、映像、写真のほか、楽譜や公演ブログラムなどの関連資料約450点の展示を通して、その活動の全振幅を検証し、近年とみに高まりつつある再評価への確かな土台を提供したいと思います。
 1940年代後半から1960年代の造形作家の代表作を一堂に集め、映画『銀輪』や近年発見された未公開映像資料の上映を行います。
 また、東京通信工業(現ソニー)が発売した当時としては画期的なスライド写真と音楽とをリンクさせたスライド映写機によるメンバー合作の「オート・スライド作品」(1953年)を上映し、そのうちフィルムが失われてしまった「レスピューグ」の映像と音楽の再現を試みます。
 ジャンルを横断したグループの特質を多角的に捉えるため、絵画、写真、音楽などさまざまな分野の専門家による講演会や現代音楽の演奏会等を開催する予定です。
 
 「実験工房」メンバー集合写真1954年頃(撮影:大辻清司)東京パブリッシングハウス蔵
前列左から瀧口修造、園田高弘夫妻、福島秀子、武満徹、湯浅譲二、鈴木博義、佐藤慶次郎。
後列左から北代省三、秋山邦晴、山口勝弘、駒井哲郎、福島和夫、今井直次
1954年、ヨーロッパから帰国した園田の歓迎会のあと操影されたものと思われる。
実険工房展 戦後芸術を切り拓く
会 期 2014年1月26日(日)
休館日 毎週月曜日(この日が祝休日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始〔12月29日~1月3日)
開館時間 午前10時〜午後6時(入館締切は午後5時30分)
会 場 世田谷美術館1階展示室(世田谷区砧公園1~2、TeI03-3415-6011(代)
アクセス 小田急線「成城学園前」駅から渋谷行バス「砧町」下車徒歩10分/小田急線「千歳船橋」駅から田園調布行バス「美術館入ロ」下車徒歩5分/東急田園都市線「用賀駅」下車徒歩17分、または美術館行バス「美術館」下車徒歩3分/美術館専用駐車場(60台、無料):東名高速道路高架下、厚木方面側道400m先。美術館まで徒歩5分
観覧料 一般1000(800)円/65歳以上、大高生800(640)円/中小生500(400)
*( )内は20名以上の団体料金
*障害者の方は500円(介助の方1名までは無料)。大高中小生の障害者の方無料。
ご案内 03-5777-8600(ハローダイヤル)

















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