岡本太郎とアール・ブリュット」

   
      C・ボンボア《三人の盗人たち》1930年         大路裕也《ひと》2011年        H・ルソー《散歩(ビュット=ショーモン)》1908年頃 
  「未開人も子供も狂人も、論理的に明らかに矛盾していること、 例えば自分が自分であると同時に兎であるとか、雲だというよう な、あり得べからざることを平気で信じたり、夢で見た世界と現実の世界とを矛盾のままごちゃごちゃにして、ともに実在だと考えたりします。」
 「彼らの表現はノーマルな社会の分別では到底考えられない、恐ろしい程の激しさを持っているのです。それはかえって我々を根源的な感動に回帰させる異常な魅力です。」
(原文のまま P109、P110)

 この岡本太郎の「アヴァンギャルド藝術」は、当時の若いアーティストに刺激を与えたようです。戦後、岡本はアヴァンギャルド(前衛)芸術の旗手として、作品をつぎつぎと発表し、積極的にメディアに登場。また多くの雑誌に彼のユニークな芸術論・人生論を執筆するなど、多方面でエネルギッシュに活動しました。
 この岡本のジャンルを超えた様々な活動は、「芸術とは何か?」あるいは「人間として生きる意味とは?」など根源的な問いを、私たちに投げかけているのかもしれません。
 この岡本の問いかけは、「アヴァンギャルド藝術」の中にも流れています。彼はこの本の中で、P・ピカソやP・クレー、M・エルンスト、H・ルソ一等と同じ地平に「子どもの絵」「精神に障害持つ人の絵」「アフリカの仮面や神像」らを載せて持論を展開し、紹介しています。

 ところで、「アール・ブリュット」という言葉は、1940年代にフランスのアーティスト・J・デュビュッフェが生み出した言葉です。
 「ブリュット」とは「生・なま」「生・き」という意味で、「アール・ブリュット」とは、美術の専門教育を受けていなくても、独自の表現で自分の世界を作ったアート、アーティストを指す言葉です。この「アール・ブリュット」の考えは、岡本太郎の考えにもつながるものではないでしょうか。

 本展は「岡本太郎とアール・ブリュット 生の芸術の地平へ」と題し、様々な表現世界を持った人々の作品を紹介いたします。
 
会 期 2014年10月5日 (日)
休館日 月曜日、(9月15日を除く)、9月16日(火)、9月24日(水)
開館時間 9時30分~17時(入館は午後16時30分まで)
会 場 岡本太郎美術館
アクセス 小田急線 向ヶ丘遊園駅徒歩約17分
南口から道なりに進み、ダイエーを左手に見ながら稲生橋交差点を渡りそのまま直進。生田緑地の入口から坂道を上がり、芝生広場の右手奥。
観覧料
一般800(640)円/高・大学生・65歳以上600(480)円/ 中学生以下無料
※本料金で常設展も観覧できます
※( )内は20名以上の団体料金
問合せ TEL:044-900-9898

















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