「チャリティカラオケ発表会」

  響き渡る歌声、拍手。ボイス音楽アカデミー主催「チャリティカラ オケ発表会」の会場は、お年寄りの方々の、しかし若さあふれる活気 に満ちていた。出演者もたまの舞台と、普段の姿とはかえた衣装に身 を包む。応援に駆け付けた友人なのだろうか、観客もセンスやパンフ レットを振ってエールを送っている姿もあった。
 7月1日、会場となったのは小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩5分ほど の、神奈川県川崎市多摩区にある多摩市民館、大ホール。七夕が近い こともあってか、大きな笹の葉の飾りに彩られていた。
 入場受付を済ませるとまず舞台写真のプリント販売ブースが目に。 プロカメラマンが収めた出演者のステージ姿を、その場ですぐにプリントアウトして販売している。写っているのはピンクや水色などのドレスに身を包んだ出演者たち。お着物の方やおめかしをした方、買い物姿の主婦なども。女性の出演者の方が圧倒的に多い。パンフレットをみると¥85%が女性といったところだ。

 出演者は出演時間の10分前には受付をしてステージ袖へ。お客さんの方もチケットさえあれば入退場自由ということで、肩の凝らない自由な舞台であった。広い客席には常時100人ほどのお客さんが点在し、出番ごとに何人かが入れ替わり立ち替わり、といった様子。
 出場者の多くは“お教室”に通う生徒さんたち。聴いていると、皆さん非常に巧み。音を外すことも、声が裏返ることもなく、伸びやかに深みある歌声が心地いい。

 出演者の一人、岩崎義弘さんは『挽歌の街』を歌唱した。自身としては本調子でなく「少しカスれぎみ」とのことだったがそんな感じは全くせず、むしろいい味を出し一役買っていたように思えた。
 『挽歌の街』を選曲したのは作曲を手がけた原まもるさんから直接、「この歌を岩崎さんに、ぜひ歌って欲しい」との話があったからだ。5、6年前にCDが作られた時からのついにその約束を結実させたと顔をほころばせた。

 当日は文字通り朝から晩までの時間をかけて120人前後の多くが舞台に登場し、それをまた多くのお客さんが楽しんでいた。ハレの場があると、お客さんも出演者も日々の練習など、生活にやりがいやハリが出るのだろう。年を忘れたのか皆元気でピンピンだ。
 こうした舞台芸術を少しでも体感できる場を今後もぜひ増やして行って欲しいものだ。それが舞台芸術を身近にするきっかけとなり得るだろうし。












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