難波田史男の世界~イメージの冒険」展を観て

 
 
《イワンの馬鹿》(12点組)1964年水彩・インク・紙 154×654㎝ 
 
  難波田史男(1941-1974)は、世田谷区に居を構えた画家・難波回龍起(1905-1997)の次男で、32歳の若さで他界するまでの短い生涯のなかで、2000点を超える作品を描き残しました。
 世田谷美術館では、難波田史男の作品を全800点余所蔵しており、この度の展覧会では、これらのなかから秀作・約250点を選りすぐって展覧します。これだけ多くの作品を一堂に展示するのは、当館でも初めてのこととなります。

 ベートーベンの「運命」について
 「ある音は、床をすべっていた。 直にぼくの耳に入ってきた。床をすべる音を僕はみた。」
 「創造」については
 「不条理の最高の喜びは創造である。 この世界においては、作品の創造だけがその人間の意識を保ち、その人間の様々な冒険を定着する唯一の機会である。 創造する事、それは二度生きることである。」
 1972年に32歳という若さでフェリーから転落死してしまうまでの約15年の活動の中で、2000点もの作品を生み出し独特な世界観をもつ難波田史男展が今、世田谷術館で開催されている。その内の300点が鑑賞出来る。

 小説や音楽にも触れていて、そこからインスピレーションを働かせて描く事もあるようで、構成などの基本は無視し、自分の内から溢れ出るイメージを自由に描くスタイルを貫き通している。
 子供が描いたような絵だったり、細い線描や、主に水彩、インク、などをメインとして描かれている作品もある。
 「サンメリーの音楽師」の作品では7点組約9mという長さがあり、小さく細かく描かれた生物、物体、はっきりとした色彩、史男独特の世界観が永遠に続くようにびっしりと描かれている。
 また「イワンの馬鹿」(写真上)という作品も12点組の大作で、端から端まで沢山の物語が詰め込んであるようで、おもちゃ箱をひっくり返したような明るく華やかな作品だ。

 こうして彼の作品が私達の中に宿るのであれば、創造する事で彼は「三度生きている」ことになるのではないか。

会 期 2015年2月8日 (日)
休館日 毎週月曜日(但し年末年始(12月29日~1月3日)休館、1月12日(月・祝)開館、1月13日(火)休館)
開館時間 10時~18時(最終入場は17:30)
会 場 世田谷美術館 1階展示室(世田谷区砧公園1-2)
アクセス
▼小田急線「成城学園前」駅渋谷駅行バス「砧町」下車徒歩10分
▼小田急線「千歳船橋」駅田園調布駅行バス「美術館入口」下車徒歩5分
 概 要 「創造すること、それは二度生きることである」
観覧料
一般1000(800)円、65歳以上800(600)円、大高生800(600)円、中小生500(300)
*( )内は20名以上の団体料金
*一般障害者の方は500円、大高中小生の障害者の方は無料、介助の方は1名まで無料
問合せ TEL:03-3415-6011

















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