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失われていく風景を記録していくことをライフワ―クとして茅葺屋根の民家をモチーフに1995年に93歳で亡くなるまで日本全国の風景を描き続けた向井潤吉。 その土地固有の風土や自然環境に密着してこそ美しい作品が出来上がると信じていました。
本展では、日本各地の、なかでも青森、岩手、宮城、福島といった、古くは陸奥(みちのく)と呼ばれた地域の民家や、四季折々の風景を描き続けた向井潤吉の作品の足跡を辿り、さらに東北各地で制作された諸作品もご紹介いたします。 |
新しい絵画表現を求めて戦後間もない1951年、清川泰次は一般的にはまだ渡航が難しかったこの時期に、船でアメリカへと向かいました。 巨大なビル群が立ち並ぶ摩天楼の大都市シカゴは、清川泰次の眼にはどのように映ったのでしょうか。
本展では、日本と全く異なる環境の孤独な海外暮らしの中で、具象的な表現から抽象的な表現へと模索していた清川泰次の約3年間のアメリカ時代の作品など、また、同時期にシカゴの街並などを撮影した、当時としては珍しいカラー写真も併せてご紹介します。 |
洋画の草創期に生まれた宮本三郎は、日本人が油彩画=洋画を描くためには、まず西洋の美術史や絵画理論を学ぶことが、新たな創造にとって大切であることを心得ていました。 その生涯で具象を軸に多彩なスタイルの油彩画を残した一方で、作り手の立場から古今東西の美術にまつわる文章も多数著しました。
本展では、宮本三郎が美術史や絵画理論について著した文章をご紹介しつつ、宮本の作品自体に、古今東西の美術作品からの学びがいかに息づいていたのか、鑑賞していただきます。 |