「宮沢賢治-イーハトーヴの鳥たち-展」

 鳥のアップ&解説 町田市民文学館外観 

 私は東京の生まれ育ちで、それでも小学生くらいまではそれなりに自然体験があったと記憶している。川釣りをしたり、田んぼ脇の綺麗な側溝でザリガニやタニシをとった。花の蜜も吸った。でもそのどれもが都会の中で体験する自然の情景にとどまっていて、こと鳥に関してはそんなに多様な鳥たちに出会い、名を認識する機会などはなかった。私たちが生活圏で普段目にするのはせいぜいカラスやスズメ、ハト、ツバメ。時折ハクセキレイに出くわす程度。これもいま名前が分からず調べて初めて知った。

 今夏開催されている展示は"宮沢賢治『イーハトーヴの鳥たち』"。
 宮沢賢治は没後80年を超えるが、作品は未だに身近だ。今回の展示では主にその作品に登場する鳥たちにスポットを当てつつ、プラネタリウムのコーナーや賢治が興味を持ち作品にもよく登場させた鉱石も揃え、彼が地元・岩手で幼少より触れてきた豊かな自然を感じることができる。キャプションによると、賢治が書いた童話は140編で、そこに出てくる動物は169種類。そのうち鳥は71種類も出てきており、主役になってる話は7編あるという。
 賢治ほどのかず鳥の名を言える人は、そういないであろう。ずいぶんと出てくる鳥や動物、花や植物の名前の数々に、「こんなにたくさんの名前は自然に親しんでいる人でないと、わからない」とうかがえる。

 展示全体で印象的だったのは子どもたちが来館し楽しめるような工夫が多々あったこと。マットが敷いてあり野鳥の本などが読めるコーナーや、賢治の「やまなし」に出てくるカニに扮し写真撮影のできるブース。パネルは全てふりがながふってあり、プラネタリウムのコーナーは夏にぴったりだ。
                (たぶち)


■会  期 : 9月23日(水)まで

■休館日 : 毎週月曜日(ただし、9月21日は開館)、第2木曜日

■会  場 : 町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4-16-17)

■観覧時間:10時~17時

■観覧料 : 無 料

その他問合せ ℡ 042-739-3420


 












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