開館30周年を記念「コレクションの5つの物語」展

柚木沙弥郎《町の人々》 2004年
水彩、紙粘土、布 45.0×19.0×19.0cm

画:水木伸一、書: 河東碧梧桐〈碧水帖 上州ぬる湯の記〉1929年
水彩、墨、紙 33.4x24.2×4.0cm


    挿話「暮らしの姿」
 ここでは挿話として、写真家・桑原甲子雄が撮影した世田谷ボロ市の光景をご紹介します。桑原は東京の上野に生まれ、戦前、仕事の傍らアマチュア写真家として雑誌に投稿をしていました。桑原がスナップショットで捉えたのは、街に行き交う人の姿や、その暮らしぶりでした。世田谷ボロ市を訪れた桑原は、古物を介して賑わう人々のぬくもりもフィルムに定着させたようです。
桑原甲子雄〈電蓄〉〈世田谷ボロ市〉より
1936年ゼラチン・シルバー・プリント30.2×45.5cm 

 1986年3月30日、都立砧公園の一角の現在 地に開館し今年30周年を迎えた「世田谷美術館」が、開館30周年を記念し、「フランスの素朴派を起点として、時代やジャンルを超えて作品を組み合わせ、美術と生活をめぐる5つの物語に見立てた内容」のコレクション展を開きます。
 開催期間は11月19日~2017年1月29日まで。

 「世田谷美術館」は建築家・内井昭蔵デザインの、木と大理石とコンクリートを組み合わせた装飾性豊かな優雅なもので、そのコンセプトは「生活空間としての美術館」。
 開館記念展「芸術と素朴」以降、同時代の最先端の美術や古代の発掘品など幅広いテーマのもとに、素朴派、現代美術、世田谷ゆかりの作家の3つを柱に収集、所蔵作品は現在1万6千点を数えるほどに。

 「開館30周年記念 コレクションの5つの物語」展は、5つの物語を中心に全8パート。「私をめぐる物語」「道の文化と出会う物語」「美術と文化で物語る」「大きな物語の中の私」「日常から始まる物語」の5つの物語に加え「プロローグ」「挿話・暮らしの姿」「エピローグ」の全8パートで構成されています。

 その第3話
「美術と言葉で物語る」
 絵と文学は別のジャンルの表現と考えがちではありますが、歴史をさかのぼってみると、絵と文学はいつも近い関係にあったこと気づきます。
 洋画家の水木伸一は、俳人の河東碧梧桐を父のように慕い、共に何度も旅をしています。この二人の合作に《碧水帖 上州ぬる湯の記》があります。碧梧桐の特色ある書と水木の絵が並ぶことで、温泉めぐりの物語の情景が立ち上がってくるようです。
 また、染織作家の柚木沙弥郎は、近年、絵本の挿絵やオブジェなど多彩な表現に取り組んでいます。《町の人々》は、柚木が絵を担当した村山亜土作の絵本『トコとグーグーとキキ』の一場面にでてくるサーカスの観客をモチーフにしています。
 さらに、この第3話ではオディロン・ルドンと駒井哲郎の版画も紹介します。(広報)資料)
会 期 2017年1月29日 (日)
  毎週月曜日及び年末年始(12/29~1/3) 
 ※ただし1月9日(月・祝)は開館、1月10日(火)は休館。 
開館時間 10時~18時(入館は17時30分まで)
会 場 世田谷美術館(新世田谷区砧公園1-2)
アクセス 小田急「成城学園前」駅渋谷駅行バス「砧町」下車徒歩10分(約5分毎)/小田急「千歳船橋」駅田園調布駅行バス「美術館入口」下車徒歩5分(1時間 2~3本
料 金
▼一般1000円(800円)、大高生800円(600円)、65才以上800円(600円)、小中生500円(300円)  ▼( )は20名以上団体料金  (※一般障害者の方500円、大高中小障害者無料、その介助者の方は1名無料) ▼リピーター割引
問合せ 展覧会案内〔TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

















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