夏季企画展
教科書のなかの文学/教室のそとの文学─
芥川龍之介
『羅生門』とその時代」
 
芥川龍之介全集より 

 日本近代文学館(写真下)による企画展「教科書の中の文学/教室の外の文学-羅生門とその時代」が開催さ れている。

 「羅生門」が初めて国語の教科書に掲載されたのは1957年。現代において、羅生門は全ての
教科書に掲載されている。なぜそれほど広く教科書として利用されているのか。

 羅生門が最初の教科書に掲載されて後、単行本される時に改稿が何度か行われており、句読点の位置や、一文字だけ助詞が変わっていたり、結末の一文ががらっと変わっていたり、三人称を用いて描写していた箇所が登場人物の一人語りに変わっている。登場人物の老婆が一人語りをすることによって、三人称で説明をされるよりも老婆の気持ちに感情移入をしやすく読みやすくなっている。
 「教科書に掲載するならば倫理・道徳感あるものが良いのでは」との声もある内容であるが、中高生向けに考えさせるべき思想や道徳心を養う役割も担っているのではないか。短編で登場人物も少ないけれど、その中身は芥川龍之介の量や細かい心理描写が詰まっており、手頃な長さなのに深く読み解く事ができ、文学という世界に踏み入れやすいことが、読解力や単語力などの向上が図れることが、今日まで広く教科書にとりいれられている理由なのかもしれない。

 【みどころ】
 日本の高校ではほとんどの人が「羅生門」を読むという現状で、どういう点が小説読解の基本的な力を養う「教材」になりえているのか。
 明治以前の日本には存在していなかった「小説」が「文学」として誕生するにいたるきっかけは何だったか。
 「羅生門」は「社会をみだす文学」の切り口として働いたか。
 「羅生門」が芥川龍之介の文学を総合するに至る経緯に何があったのか。

会 期 2017年9月16日 (土)
 休館日 日曜日・月曜日・第4木曜日(7月27日、8月24日)
開演時間 9時30分~16時30分(最終入館16時)
会 場 日本近代文学館(目黒区駒場4-3-55)
アクセス 井の頭線駒場東大前駅西口出口から徒歩約7分
観 覧 料
一般100円
問合せ 日本近代文学館〔TEL:03-3468-4181

















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