SHIMOKITA COLLEGE」開業

- まちがキャンパスになる -
   
開放的な1階2階吹き抜け SHIMOKITACOLLEGE 


社会人〜大学生・高校生の若者層を中心に、多様な価値観に触れ暮らしを共にしながらキャリアやライフプランニング、学びの場づくり・コミュニティづくり居住型教育施設『SHIMOKITA COLLEGE』が2020年12月1日開業。

 開業を前にした11月27日の内覧会で、居住者の集い合いや交流にちょっとした工夫が、なされていることに気がついた。
 各階にはコモンスペースがある。1階と2階にはかなり広い吹き抜けのパブリックスペースが設けられ、住民は必ずそこを通って出入りする仕組みだ。このような場は居住者同士の交流のほか、ワークショップやフォーラム、居住者の自治会活動(施設内の運営ルールや行事などを住民自身で独自に決めていく)などに活用されていく。各個室を充実させることよりもコミュニティを育む共用部を大きく取り、他の居住者とキッチンやテラス、ライブラリなどのリビングスペースでともに過ごすといった建付けだ。
 現在日本でよくある共同居住施設は、学生寮や、部活動の部員寮など、一様の人たちの集いの場であることの方が多い。対してこの取り組みは、多様な人たちの共同体を目指し、まだあまり馴染みではない居住空間と学びの場が一体となったコミュニティづくりに特長がある。
 新型コロナウイルス感染症が大きく私達の生活環境を変えた一年を経験し、筆者が運営する地域コミュニティ施設でも、オンラインによって距離を超えられることで繋がりやすくなる人と、オフライン:現場で対面の形でないと出会えない人とがいることに気付かされた。遠方で離れていてもコミュニケーションがとれることのよさと、時間や空間を共にしつつそれぞれの過ごし方で同じ場に居る、ということのよさ、それぞれの違いを実感した。学生たちは新型コロナウイルス感染症の影響で授業のオンライン化がすすみ、繋がりの機会や学びの機会はあるものの、オフラインで生まれる“余白のコミュニケーション”が得られていないと言う声を耳にしている。
 例えばワークショップの休憩時間、帰途につく帰り道、片付けてお皿洗いをしながらのちょっとした会話で生まれる人と人との縁。それらが、人生の変化を与えるひとさじになることがあった。が、現在の学生にとっては、オンライン授業化によって画面を通しては人と一緒にいるけれど、実際的には家の中で籠もって一人のため、交流している体感やコミュニティへ参加している実感が薄れているという。
 この『SHIMOKITA COLLEGE』はこれをカバーしている。住まいがそのまま学びの場であり、学校教育や研究などの知識的な学びはオンラインで得て、人と人との交流によって受ける人生的な学びや価値観への刺激は暮らしているその場で得ていくことができる。
 人との共同生活がしにくいように思えるコロナ渦の世ではあるが、一方で人と共に在ることの良さを強みにもできるのが、計らずも得られたこの施設のコロナ渦での価値であった。
 既に入居が決定した、この施設の運営面をキックオフとして共に考える「0期生」は30名程度という。国内にとどまらず、海外の大学に籍を置く学生も参加している。今後は高校生の共同居住や、チューター的ポジションを担う社会人居住者の受け入れなどにむけ、この0期生と共にSHIMOKITA COLLEGEイズムが生まれていく。  (たぶち)

 ■「SHIMOKITA COLLEGE」:小田急小田原線、京王井の頭線 下北沢駅南西口徒歩3分
   下北沢線路街内
















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