一般財団法人長谷川町子美術館では、2022年8月6日(土)から11月27日(日)まで、長谷川町子記念館(長谷川町子美術館分館)の2階企画展示室にて、企画展「うちあけ話」を開催いたします。
本展では、長谷川町子の自伝的漫画作品「サザエさんうちあけ話」を紹介いたします。同作は、当初1978(昭和 53) 年4月23日から11月12日にかけて『朝日新聞』日曜版に全30回で連載されました。サザエさんの名を冠しているのは、世間では“サザエさん=長谷川町子”と認識されていたためと想像されます。
同作の内容は、幼少期のエピソードから、恩師である漫画家・田河水泡への弟子入り、→冬戦直後の「サザエさん」誕生、出版社である姉妹社の設立、家族のエピソード、さらには、創作にまつわる苦楽、病気療養、人生の迷い、同時代の漫画家との交流など多岐にわたります。また、表現方法も、絵文字のみ、挿絵と文章の組み合わせ、コマ割り漫画と、話題に合わせて様々に使い分けられています。 ↗ |
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↗ この全30話はそのままの順番で単行本『サザエさんうちあけ話』に収録され、翌年の1979(昭和54) 年3月に姉妹社より発行されました。また、同年の4月「マー姉ちゃん」がNHKの朝の連続テレビ小説として放送されました。ドラマ化は、好評を博した新聞連載の終了直後に決定しました。
本展では、全30話の中から、自伝という一つのストーリー形成に欠くことのできない20話分を選び抜き、実際の紙面の拡大パネルや町子直筆の原画・原稿を、関連する新聞·雑誌記事・写真といった資料とともに展示いたします。
展示の最後には、昨年秋から本年春まで再放送され再び話題となった「マー姉ちゃん」についてもふりかえります。
本展にて、長谷川町子の人となりを深く知り、同時にその巧みな表現力を鑑賞ください。 |