府中市の南端を流れる多摩川は、流路延長138キロの一級河川です。流域には様々な生き物が生息しており、独自の生態系を構成しています。また、流域の人々にとって多摩川は、漁業、上水や農業用水としての活用など、生活するために欠かすことのできない存在です。
そんな多摩川に生息する代表的な魚がアユ。江戸時代には、とれたアユが一級品と評価されて市場に流通していました。将軍に献上されていたことも知られています。昭和初期までは「見せる漁」として、アユ漁を主軸とした観光産業も盛んでした。 ↗ |
↗ もちろん、アユは多摩川における生態系の一部としても重要な存在です。水質汚染や水量減少などによる環境の変化でその数が減少した時期もありますが、近年では再び増加しており、現在でも多摩川を代表する魚と言ってよいでしょう。
本展示会ではそんな多摩川とアユに視点を定めました。江戸時代以降におけるアユ漁に関連する歴史、アユのために使用した漁具などとともに、生態系や環境の変化も含めて、多摩川とアユのかかわりを多角的に紹介します。 |